2007-05-31
■ [雑記]逆ベクトルの世界 
私は「『恋愛=戦争』視角」に加えて「『萌え≒(肯定的な)オリエンタリズム』視角」の人なので、どうしても美少女ゲームにおける諸々は「オタク」の外側に適用可能だという思考から抜け出せない。
後者の話に繋がるが、「萌え」という言語が登場した頃から、「完璧な」ヒロインが消失したように思う。それは、パラメータが攻略条件だった、ヒロインが「倒すべき敵」だったというシステム的な面の影響もあるだろうが、実のところ「完璧な」ヒロインには「萌え」られなかったのではないかと、上述の視角を持つ私は考える。
具体的にいえば、「萌え」をキーワードに美少女ゲームが広く知られるようになった時期において、たとえば藤崎詩織はもはや「萌えないゴミ」だったのではないか、という疑問があるのである*1。
ところが、801やハーレクインでは逆に「完璧な」男の消費率が非常に高い。コバルトにおける王子様の復権もそう。「萌え」を用いられるのは「ショタ」という事由くらいだろうか。社会的には員数外そのものの「ヤンキー」等、最近の少女漫画に多いバイオレンス属性は「萌え」とは言われないことを考えると社会的員数外と消費上の員数外は当然違うだろうし*2。
男性キャラの「萌え」については先日からの「美少年の現代史」同様に継続思考事項としておく。
*1:なお、同系列のゲームだが、『同級生』の桜木舞は「お嬢様」という階級的員数外事由を持つ。http://d.hatena.ne.jp/./Kadzuki/20061125#p1
*2:もちろんこれは修羅場系邪悪系ヒロインにも言えることであって私も人のことは言えないが。
2007-05-22
■ [雑記]回顧と……。 
諸事情により本店の美少女ゲーム関連エントリとブクマの付いたようなエントリのサルベージ。
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20060408#p3
実際と更新と
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20060411#p1
<描写関係>
内面。
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20060418#p1
俺たちは何を恐れてるんだ?
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20060425#p3
恋は戦い
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20060505#p2
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20061125#p1
・『沙耶の唄』
ガラスのくつ
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20060124#p1
異形・アカデミズム・沙耶
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20061007#p2
反省を踏まえて
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20061009#p2
・『処女はお姉さまに恋してる』(カテゴリへのリンク)
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/searchdiary?of=4&word=%2a%5b%a4%aa%a4%c8%a5%dc%a5%af%5d
・『この青空に約束を』
こんにゃく問答
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20070302#p2
・少女小説とBL
境界線
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20050827#p2
モノグラフさん経由
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20050827#p3
盛り上がってきた、のかな
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20050829#p1
・影の王国
我ら死せる人見の巫女ゆえに。
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20060610#p1
<rosebudより>
影響の明言と二人の差異。
http://rosebud.g.hatena.ne.jp/Kadzuki/20061115/1163523858
http://rosebud.g.hatena.ne.jp/Kadzuki/20061110/1163148258
捜索中&書きかけ
http://rosebud.g.hatena.ne.jp/Kadzuki/20061216/1166205964
雑念いろいろ
http://rosebud.g.hatena.ne.jp/Kadzuki/20061227/1167233185
春夏秋冬マシンガン
http://rosebud.g.hatena.ne.jp/Kadzuki/20070202/1170397290
美少女ゲームにおけるカネ
http://rosebud.g.hatena.ne.jp/Kadzuki/20070214/1171457919
うしなわれたもの、インターフェース
2007-05-11
■ [雑記]オヤヂたちの挽歌 
下で攻略検索リファが増えすぎて、適度に区切らないとめんどくさいので雑記。
前エントリで「オヤヂ」について少し書いたが、振り返れば、このところ「父親」「兄」が頑張っているように思う。
たしかに、魔窟堂野武彦、タイガージョーなど、濃いオヤヂやアニキが皆無だったというわけではない。
ただ、エロゲが大河志向になればなるほど父親打倒的な展開の増加が目につくように感じた。
ヒロインと結ばれるために、主人公内面で完結する「偶像粉砕」ではなく、学ばなければならない、あるいは(目に見える障害として)納得させ叩き伏せなければならない存在が、エロゲの世界で元気を取り戻したように見えるのである。……いやまあ自分が最近のバトル系作品とかpropeleer作品とかそんなのばかり見ているせいかもしれない。あと「SHUFFLE!」の魔王と神王とか、「ショコラ」のバラさんとか。
80年代までの少女小説・ジュニア小説における「大人の男性」*1への視線との比較がおもしろそうだなあとやっぱり直感で考えてみる。