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-もしも『CROSS†CHANNEL』のシナリオ読解を書くとするならば(今さら) (07/07/18)

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-美少女ゲームのマルチシナリオ分類例 (06/12/31)

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【pinsyan@milkyhorse.com (@は@に修正)】【記事本文は下のほうです】
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2007-07-18

もしも『CROSS†CHANNEL』のシナリオ読解を書くとするならば(今さら) 00:15 もしも『CROSS†CHANNEL』のシナリオ読解を書くとするならば(今さら) - milkyhorse(Rosebud Side) を含むブックマーク はてなブックマーク - もしも『CROSS†CHANNEL』のシナリオ読解を書くとするならば(今さら) - milkyhorse(Rosebud Side)

 ちょうど三連休でしたので,『CROSS†CHANNEL』(2003年,FlyingShine)を今さらながらプレイしてみました。うわさ通り,とてもよくできていますね。一応,思い切りネタバレ雑感というか,自分がシナリオ読解を書き下ろすなら,こういうプロットから書き起こすんだろうな,という陳腐なメモです。

<作品のあらすじ導入(田中ロミオ)>

<登場人物設定の注釈(各キャラの群青色/群青学院)>

<世界設定の概観(A世界とB世界の交差/B世界の1週間ループ/深く追究する必要なし)>

<シナリオ構成の概説(各編構成のまとめ)>

 ↓

 ただし,一応のトゥルーエンディングと目される「CROSS×CHANNEL」編でB世界からA世界に向けて(ただしそれと知らず)黒須太一が放送するメッセージについては,メタ的*1な解釈をプレイヤーに促す要素が大きい。あのメッセージの意味内容を追求することが,プレイヤーだけに許された特権と化している(かのような)点には,留意すべきなのである。というのも,一応のトゥルーエンディングに際して,あの台詞を発信するB世界に居残った黒須太一も,あの台詞を受信するA世界に帰還した群青学院放送部員たちも,作品内の登場人物は誰もが,トゥルーエンディングまで見届けた作品外のプレイヤーに比べて,その保有する経験(ないし情報)の蓄積は少ないことが,ひどく明示的に描かれているからである。

 たとえば,「INVISIBLE MURDER INVISIBLE TEARS」編において,山辺美希(固有ミキミキ)が到達した境地は,B世界のループを彼女が受け容れたことによってついに喪われ,「たった一つのもの(いつか,わたし)」編でA世界に送還された山辺美希が辿り着くことはない。このように,「CROSS×CHANNEL」編において,B世界から黒須太一が発信する放送メッセージと,A世界でそれを受信する群青学院放送部員たちとの間には,深刻な境地の断絶があるといわざるを得ない。

 さらにいえば,「CROSS×CHANNEL」編でB世界に居残る黒須太一自身についても,そこに到るまでにはB世界のループに伴う経験(あるいは記憶)の断絶が多々あり,特に,祠に納められたノートに記録されることのなかった日曜日(ループ7日目)に,「たった一つのもの」編以前のループ途上にあった登場人物たちが到達した境地については,経験(あるいは記憶)としてはもちろん,情報としても知ることは決してなかった。つまり,あの台詞の指し示す境地の迫真に,作中の登場人物の誰もが最接近することができないという作劇上の仕掛けが施されている巧妙さを,看過するわけにはいかないのである。

 したがって,『CROSS†CHANNEL』の主題性を検討するのならば,(1)シナリオ内部において,登場人物たちがB世界のループ途上で到達し,あるいは,A世界への帰還・終幕に際して喪失してしまった経験・境地を丹念に分析する段階と,(2)シナリオ外部から,物語の全貌を把握することを許された(かのような)プレイヤーの持ち合わせた情報量に基づきメタ的に解釈する段階を,峻別した―少なくとも「CROSS×CHANNEL」編においてB世界に居残った黒須太一が到達した境地と混同しない―議論を施すことが整理に資すると思われる。

 ↓

<「言葉伝えるためのチャンネル」*2が,(1)断絶しているようで繋がっていた,(2)繋がっているようで断絶していた―対照的な構図を,黒須太一を中心とする登場人物相互間ごとにあぶり出していく各論の展開/各ループ編ごとに逐次積み立てていく検討順>

 ↓

<何か祈りめいた結論/ただし「永遠の世界」はNGワード/『ひぐらしのなく頃に』と比較厳禁> *3

 おそらく,書き上げてみると,このプロットが跡形もなく吹っ飛んでいる公算大。ちなみに,実際にシナリオ読解を書く予定はありません。田中ロミオ氏の作品は,コンプリートしていませんので。別にロミオ氏の他作品を作家論的に踏まえなくても,作品論的だけで書けそうな気もするのですが,その前に『AIR』(2000年,Key)を自分なりに総括しないと何もかも空回りしそうなんですよね(これも今さら)。*4

*1:総合衡量的と言い換えても可。

*2:『CROSS†CHANNEL』エンディングテーマ「CROSSING」より。

*3:こら。

*4:ちなみに,小生が『AIR』をプレイしたのは,2006年です(えー)。

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